FXシステムトレードとは

テクニカル分析は、過去に生じた現象が未来にも生じることを前提に、様々な状況に着目して未来を予測する方法です。例えば、価格が移動平均線を上抜けると上昇トレンドにあるので価格は上昇していく、トレンドラインを抜けると、トレンドが転換した可能性があるなどです。

私たちが取引する場合も、これらのテクニカル分析手法を複数用い、またその他の条件を組み合わせて相場の未来予測をします。複数のテクニカル手法や条件を組み合わせるのは相場予測の精度を向上させるためですが、用いるテクニカル手法や条件が多ければ多いほど細かい点に着目しなければならなくなるなど複雑になってきます。

しかし、私たちは人間ですから複雑になればなるほどミスも多くなります。売買のサインを見逃したり、勘違いしたりということがよく起こります。また取引の場面で、人間ゆえに感情に流されてしまうこともあります。根拠なく自分がエントリーした方向に相場が動くことを祈るような気持ちで信頼したり、負けると熱くなって相場の状況を客観的に、冷静に見られなくなってしまったりします。

FXシステムトレードは、作られたロジックに従って取引を行うツールです。従って、人間ゆえのそれらの影響を受けずに、あらかじめ決められたルールに従って、淡々と自動で取引を行ってくれます。決められたルールに従うという意味では、システムトレードはミスをすることなく、またルールを破ることなく取引ができるのです。

また、システムに任せておけば自動で売買してくれるので、取引の時に張り付く必要が無いことも大きな魅力です。仕事をしている間も、食事をしている間も、眠っている間も、条件が整えば自動的に取引をしてくれるのです。

FXシステムトレードの利用方法

自分でトレードロジックを組み立てる方法と既存のシステムを利用する方法があるFXシステムトレードを利用するには、自分でシステムを組み立てる方法と既存のシステムを利用する方法があります。

前者は、MT4などのプログラム可能なツールを使って、自分でプログラムを組み、過去のデータで検証をして実績が出たプログラムを使用する方法です。これは、勝てる取引方法をすでに持っている方が楽に取引をする方法で、勝てる取引方法が確立していない人や初心者にはハードルが高いでしょう。

後者は、既存のプログラム(「ストラテジー」と呼びます)を利用する方法で、いくつかのFX会社が取り扱っています。国内では、インヴァスト証券がシステムトレードに力を入れており、多くのストラテジーを用意しています。その他にもFXシステムトレードを導入している国内のFX会社がありますので、お調べ頂ければと思います。

既存のストラテジーの選び方

ストラテジーは、国内外の企業や個人が作成して提供しています。いくつものストラテジーが常に考案改良され、実績を鑑みて淘汰されていきます。ストラテジーは、大まかな考え方のみを公開している場合がほとんどで、詳細については公開していません。詳細部分まで公開してしまうと、真似をされてしまうからです。

では、私たちはどうやってストラテジーを選べばいいのでしょうか。

その答えは、実績です。どのような通貨ペアで、どれぐらいの回数取引をして、同時にどれぐらいの売買数を持ち、過去のどれぐらいの期間にどのような勝率で利益を出したか、また、含み損はどれぐらいだったかという内容は公開されます。これらの実績に基づいて私たちはストラテジーを選択するのです。

さて、それでは私たちは公開された実績のどのような部分に着目してストラテジーを選べばいいのでしょうか。

①通貨ペア
通貨ペアに着目する必要があるのは、通貨ペアごとに価格の動き方の特徴があるからです。
従って、同じストラテジーを使っても通貨ペアが変われば成績が異なってきます。

②取引回数
取引回数は、そのストラテジーがスキャルピング的な取引をしているか、スイングトレードタイプなのかの目安になります。年に数回しか取引をしないストラテジーもあれば、1日に数回以上取引するストラテジーもあります。どんなタイプの取引が自分の取引で合っているのかを見極める必要があります。

③必要な取引証拠金
ストラテジーにより、同時に取引する通貨数が異なります。1本(1万通貨)しか取引しないストラテジーもあれば、状況により4本同時に取引を行うストラテジーもあります。この、同時に取引を行う本数により必要な取引証拠金が変わってきます。

カスタマイズという意味では、同時に取引する本数を減らして必要な取引証拠金を減額してそのストラテジーを利用する方法もありますが、ストラテジーの構成が変化するので、当然実績も異なったものになります。

④期間と実績
どれぐらいの期間にどのような実績があったかは、どのような相場状況でもコンスタントに実績を上げているのか、トレンドの傾向により実績が異なるのかを表します。例えば、ここ1か月間はとても調子がいいストラテジーであったとしても、過去3か月間を見てみれば、そうでもないということもよくあります。

これは、上昇トレンドに強いストラテジー、下降トレンドに強いストラテジー、持ち合いに強いストラテジーなど、そのロジックと相場の状況が一致しているかどうかが影響をしています。例えば、ここ1か月間は持ち合い相場で調子がいいが、その前は下降トレンドで調子が悪いという感じです。

⑤最大ドローダウン
ドローダウンとは含み損のことで、最大ドローダウンとはそのストラテジーが全体としてどこまで含み損を抱えたかを表します。システムとして、当然のことながら損切を行う機能は持っているのですが、そこに至る前の含み損の値で、そのストラテジーへの投資資金としては、取引証拠金に加えて最大ドローダウンの資金が無ければロスカットになってしまいます。どこまで含み損を許容できるかは個人によって様々ですので、この点注意をすることが重要です。

ストラテジーの選択は、そのストラテジーが示す今の実績のみで行うのではなく、現在の相場状況とストラテジーの特徴を自分なりに理解して選択することが必要になります。

ポートフォリオを組む

ポートフォリオとは、組み合わせによりリスクを低減したり、利益を最大化するという考え方です。1つのものに集中的に投資するのではなく、性質の異なるものに分散して投資し、組み合わせることによって、全体として投資資金の保全と効率化をはかるのです。

システムトレードでのポートフォリオの組み方は、例えば、複数の通貨ペアに分散する、上昇トレンドに強いストラテジーと持ち合いに強いストラテジーを組み合わせる、スイングトレードタイプのストラテジーと、スキャルピングタイプのストラテジーを組み合わせる、それらをミックスするなどが考えられます。

ポートフォリオを組むことによって、ストラテジーごとの弱みをカバーし、強みを引き出せば、利益は大きくなっていきます。

ストラテジーを相場状況でオンオフする

ストラテジーは、相場の状況に応じてオンとオフを切り替えるのも一つの方法です。短いスパンで動くストラテジーでは、大きな価格変動が予測される経済指標発表などの場面ではオフにし、通常の動きに戻ったところでオンにするとリスクの低減が図れます。

また、ストラテジーの特徴に従ってオンとオフを切り替えることも一つの方法です。例えば、上昇トレンドに強いストラテジーは上昇トレンドの時にはオンにし、持ち合いの場面になったらオフにする、その代わりに持ち合いに強いストラテジーをオンにするといった方法です。

一般に、システムトレードを使った取引では、システム利用料が必要だったり、システム利用料と銘打っていなくともスプレッド(売買価格差)が比較的大きく設定されている場合があります。

そこで、裏技になるのですが、そして大きな声では言えないのですが、システムのシグナルのみを利用する方法があります。シグナルは、FX会社に口座を持っていれば見ることができるので、そのシグナルを受け取り、実際の取引は、スプレッドの小さいFX会社で手動にて行うという方法です。今調子のいいストラテジーに着目して取引を行えば、ある程度利益を得ることが期待できます。

しかし、システムトレードの大きな利点である取引画面に張り付いていなくてもいいというメリットは享受できませんね。