細分化するニーズを発掘新たな機能を持ったメガネレンズが続々
視力矯正に欠かせないメガネ。以前よりコンタクトレンズの利用者が多くなっているものの、ファッション性を求めてメガネを楽しむ若者も増えています。

メガネにはコンタクトレンズにないメリットがたくさんあります。最近では付加価値を乗せたメガネレンズの開発が進んでおり、近眼や遠視、老眼といった矯正方法や紫外線カット、カラーレンズなどのほか新たな機能を搭載したメガネレンズやレンズコーティング加工が登場しています。ここでは、メガネを使う人たちが持つ潜在的なニーズを細かく掘り起こした新機能レンズの動向をまとめます。

いままでのメガネレンズの動向

メガネレンズはいくつかの角度から自分に合ったものを選ぶ必要があります。見え方や素材、レンズの厚みといった基本的な特徴のほか、レンズコーティング加工の種類で選択肢は幅広くなります。

まず、レンズの命である見え方です。近視や遠視、乱視のように基本的な視力矯正をするのに最も使われるのが単焦点レンズです。目の水晶体が上手く動かなくなって遠くのものが見えづらい、近くのものが見えづらい、図像が二重に見えるなど、眼の状態に合わせて正しい見え方になるようにレンズの厚みを調整します。一方、1枚のレンズで単焦点レンズの機能を複数持たせているのが累進レンズです。「遠近両用」と呼ばれる老眼が入った人が対象のメガネレンズで、本来なら近視用や遠視用と老眼用を掛け替えなければなりませんが、同じレンズのなかに異なる度数を設計することで遠くも近くも見えるようになっています。

素材はかつてガラスが主流でしたが、現在は軽くてリーズナブルなプラスチックレンズが圧倒的です。カラーレンズやコーティング加工の種類もより多く楽しむことができます。

レンズの厚みを薄くして、見え方が自然になるようにするには球面レンズより非球面レンズ、さらに両面非球面レンズの順に選ぶ必要があります。メガネレンズの厚みは度数で決まります。同じ度数でも球面レンズより非球面レンズのほうが薄く仕上がるだけでなく、歪みが出にくいので見え方がクリアになったり、他人から見て目が小さく見えることも少なくなります。

多彩なレンズコーティング加工

新たな機能を持ったメガネレンズが続々最近のメガネレンズは複数のコーティング加工がされていて、見え方や耐久性をより強めたものが増えています。

反射防止コート
スタンダードなメガネレンズは光が当たると白く光るハードコートが多くなっています。しかし、これでは明るさが低下したり光のチラつきが出やすいため反射防止コート加工しているものが人気です。反射防止コートはレンズの見え方が明るくなり、透明感が生まれて光のチラつきを防いでくれます。

超硬コート
レンズの表面に汚れやキズに強いハードコート加工を施すものです。視界が明るくなるほか衝撃に強くなります。

耐衝撃コート
落下時などレンズに衝撃が加わっても割れにくい加工をしたコーティングです。破損しても飛び散りにくいので目や顔の安全にもつながります。

UVカット
最近のメガネレンズには標準となっているコーティング加工です。目に有害な紫外線をほぼ100%カットできるので目の日焼けや白内障の予防になるといわれています。

防曇加工
くもりに強い特殊なコーティングをしたメガネレンズです。スポーツやヘルメット、マスク、食事や調理中など、水蒸気が多く曇りやすい場所でもレンズ表面の防曇加工コーティングの膜に水分が吸着されてくもらなくします。

特殊コート
目の健康のため有害な光をカットしたり、まぶしさを軽減するコーティング加工です。パソコンやスマートフォンから出るブルーライトをカットするレンズや光の反射でギラつく視界をやわらげる偏光レンズがあります。

話題のパソコン用メガネとは

大手格安メガネチェーン店から発売されたパソコン用のメガネによって、パソコン専用のレンズが眼精疲労の軽減や目の健康に役立つことが知られるようになりました。長時間パソコンやスマートフォンを使用した場合、まず遠くがよく見えるレンズのメガネで近距離を見続けるため目のピント調節機能が無理をして疲れやすくなります。また、パソコンのモニターやスマートフォンのバックライトから出る光のうち波長の短い青白い光をブルーライトと呼び、目に負担が大きく健康障害の原因になるといわれています。

そこで、長時間のパソコン作業を快適にするために、単焦点レンズで焦点をデスク周り周辺に設定したメガネを用いたり、レンズにブルーライトカットコーティングを加工したものを使う流れが出ています。とくにブルーライト対策はモニターやスマートフォンを使い続ける現代人にとって早急に取り入れたいレンズです。これまで紫外線をカットするレンズは標準で加工されているためUV対策は当たり前のものとなっていました。ただ、紫外線とブルーライトは光の波長が異なるため紫外線カットレンズでは影響画面から発するブルーライトに対応することはできませんでした。ブルーライトカットコーティングのレンズは、紫外線に加えてブルーライトをレンズの表面で反射させて目に届かないようにしています。

近視でも老眼でもないアシストレンズ

疲れ目を訴える年齢層は年々低くなっています。かつては40代からといわれていた眼精疲労も、30代や20代で目の疲れや痛みを訴える人が珍しくなくなりました。加齢によって生まれる眼精疲労の原因はピントの調節力にあります。現代生活では近くを見続ける時間と遠くを見る時間のように、メガネレンズにも距離の大きく異なる見え方が求められます。テレビやパソコンのときは近く用のレンズを、運転や外出時は遠く用のメガネを、といったように掛け替えればいいのですが実際は大変です。

そこで老眼が本格化して遠近両用レンズが必要になる手前の30代から40代をターゲットに開発されたのがアシスト設計レンズと呼ばれるものです。これは、一つのレンズに遠くが見えるエリアと近くが楽なエリアを設計しており、遠くも見やすいのにパソコンやスマートフォンも使いやすいという不思議な特徴を持っています。

アシスト設計レンズにはスマートフォンや勉強で近くを見続けることの多くなった10代から使える機能の小さめのものからビジネスシーンでパソコンを使い続ける40代に向けたサポート力の大きなものまで数種類が各メガネレンズメーカーから発売されています。

関連銘柄情報

HOYA
大手メガネレンズメーカーで、2014年にセイコー傘下のメガネ販売会社を買収するなど業界での存在感を増しています。半導体用マスク基板や内視鏡事業にも力を入れています。日本で初めて『境目のない遠近両用メガネレンズ』を発売。戦前、国内発の光学ガラス専門メーカーから受け継いだ研究開発の精神がいまに受け継がれています。

2018年3月22日現在の株価は5,561円。2017年8月から10月に掛けて6,500円に迫る値動きが続いていましたが年末に反転。5,500円台まで下落した後、横ばいに推移しています。

(株)ジンズ
格安均一メガネチェーン店の大手「JINS(ジンズ)」を全国展開しています。上場は2006年8月。ファッション雑貨の卸売や小売り事業も行っています。ブルーライトカットメガネやPCメガネの火付け役となったメガネ店の一つです。

2018年3月22日現在の株価は5,590円。2017年10月にそれまで7,000円付近まで上昇していた株価が6,000円を割り込み、その後、5,000円前後を底にゆるやかな動きを見せています。