年が明けて新年度相場になっても去年からの流れを引き継いで日経平均は上昇しました。以降も24,000円付近の高値揉みあいで強かったのですが流石にここに来て調整しているようです。2/3現在の時点で23,000円付近と上値から千円余り押したところにあります。これは最近の円高とNY市場の急落が影響しています。日経平均、ドル円為替ともにこれからの展開を予想します。

日経平均は調整局面 最初の買い場到来

日経平均 日足

日経平均日足

日経平均は昨年秋の総選挙で与党大勝利のあと23,000円まで一気に急騰しました。その後は22,000~23,000円のもみ合いを続けしばらく23,000円が相場の天井になったように思えました。しかし新年相場の勢いは強く一気に上昇して23,000円の壁も突破、数日で24,000円に到達しました。あとは膠着状態になりましたがNY市場が強かったこともあり高値も見合いが続いて手を出しにくい状況が続きました。ただ予想通り最近になって円高とNY市場での調整が影響して23,000円台前半が実現しています。(NY市場が下げたため2/3時点では23,000円付近)

これはある程度想定された流れですがここは最初の買い場だと考えます。現在の相場の強さを見る限りNY市場もこれ以上の大崩れの可能性は低いと思います。ちろん相場なので突発的な動きがないわけではないですが、基本的なファンダメンタルズの変化はないと思います。一番わかりやすいのは23,000円の上値の節目だった現在のラインがそのまま下値のサポートになって反発してくれるパターンです。このケースなら反発すれば再び24,000円付近まで上昇するでしょう。もう一度24,000円を上抜ければ青天井相場になりますがさすがにそれはいつになるかは予想がつきません。

チャート的に純粋にテクニカルに見れば崩れれば下げが大きくなるはずですが、むしろ23,000円を割り込んでも逆に下値買いのチャンスだと考えます。為替が1ドル=110円割れの状態は円高のピークだと思いますしNYダウも久々の下げでしたがあくまで目先の調整に過ぎないと考えるからです。

NYダウは久々の調整局面 まだまだ上値余地有り

NYダウ日足

NYダウ日足

2/3の日本時間の夜中にNYダウは665ドルも下げて引けました。最近はほとんど下げらしい下げがなかったのでこの急落には驚いた投資家も多いと思います。NY日足を見れば去年の11月の半ばに小さな押し目があり、12月の初めに今回と同じような調整局面があります。しかし新年になってからは急騰して12月からは2,000ドル以上の上昇になりました。この反動が現在おとずれているものと考えます。相場の格言で「初押しは買い」といいますがとても強い上昇局面で最初の大きな下げが来たら下値では多くの投資家が買おうと待ち構えているので「買いのチャンス」だということです。

もしスピード調整で終わるならNYダウは再び上昇するでしょう。これは相場の法則ですが、下げが小さいほど普通は調整期間も短く再び上昇トレンドへの復帰も早くなります。とくに強い上昇相場での25日移動平均線の割り込みは大きな買いチャンスです。もしこれ以上下げることがなければ今回の下げも上昇局面での単なる押し目に過ぎず、また何事もなかったように上昇していくでしょう。

基本的にNYダウは今年3万ドルの前人未到の高値を付けるのではないかと予想しています。FRBの予定している年3~4回の利上げ方針は織り込み済みで、企業業績のいいアメリカ経済は今年も好調でしょう。トランプ大統領の自国中心・短期至上主義の経済政策がNYダウの上昇に拍車をかけたような感があります。まだ早いですが中間選挙も民主党に有力な対抗馬がない以上、予想とは違ってトランプ大統領の圧勝に終わる可能性も高いと見ています。

ただ週足ベースでみればNYダウはかなり急ピッチな上昇に変わってきているので、ちょうど2000年のインターネット相場のように上昇ペースが早すぎれば今回のように急落する可能性もあります。しかしまだまだ余力がありそうなので青天井相場が続くと予想しています。大幅調整のリスクも少しずつ出てきていますが、今回の調整が短期間に終わればかえって上昇ペースが早くなる可能性もあります。

ドル円為替は円高ピークから反転へ

ドル円日足

ドル円日足

新年になってから円高トレンドが続き日足ベースで見ても陰線が多くなっていましたが、今週に入って変化が出てきました。110円割れしたところではまだ下げ止まる気配がなかったのですが、どうやら108円半ばくらいのところで反転する気配が出てきました。2/2現在はまだ110円割れている状態ですが、買いの陽線が出てきたこともありここは転換期だと見ます。ドル円の110円割れはドル買い⇒円安へのエントリ-チャンスでしょう。今はちょうど去年の最安値107.50~108.50に顔合わせをしたところなのでここからの円安が期待できます。

ドル円週足

ドル円週足

ドル円の週足をボリンジャーバンドで見ればこのようにちょうどσ-3で底をつけた感じです。週足で陽線がでているのも安心感があります。ここから反発すれば上は再び1ドル=115円付近を目指して円安の流れになるでしょう。年初の円高は少し意外でしたが昨年12月のアメリカの利上げで明確な円安トレンドが生じなかったことの反動と言えないこともありません。ただ、去年2017年が北朝鮮問題とトランプ発言によって円高圧力がかかった状況と比べると、ファンダメンタルズはしっかりしています。もしドル円が底をつけたことが確実になれば2、3ヶ月は円安の流れになるでしょう。

ドル円相場は長期トレンド 円高からボックスへ

ドル円月足

ドル円月足

前回も取り上げましたが月足でみればいまだにドル円は円高トレンドです。結局2015年夏~年末の125円付近からの円高トレンドが強力で長く続いたためにまだ円安方向に切り替わっていないのが理由でしょう。しかし動き自体が鈍く小さなレンジに変わってきています。ここから110円割れのゾーンが円高のピークという流れがはっきりしてくるでしょう。振り返ってみれば2015年はFRBがリーマンショック後に初の利上げということでNYダウが一時千ドル下げるような動きがありました。2016年も前年の流れを受けての世界同時株安やイギリスのEU離脱がありました。それに比べれば2017、2018年の状況はあるかに落ち着いています。

現在は大きな三角波動で一目均衡表の雲の中ですがしばらくはこのまま推移するものと思われます。たとえ一時的に去年の安値107.50を切ってきてもそこは再びドルが買い戻される公算が大きいです。トランプ政権は基本的に貿易不均衡是正とドル安政策を取っているようですが、極端なドル安も不安定要因をもたらすので限界はあります。3月はFOMCで利上げが予定されていますがそこでのドル円の動きには注目です。

今年中のいつかの時点でこの下降トレンドラインと雲が重なった地点からローソク足が抜けてくるか試す時が来ると思われます。110円付近で抜けてくれば値段が十分安いので1ドル=120円付近までの本格的な円安になる可能性は大きいです。ただ、現在はしばらく目先の円高状態からどれだけ円安に戻るかが重要でしょう。本格的なドルの反騰はそれからです。

まとめ

★日経平均の23,000円付近は大きな買いのチャンス。NYダウの調整は短期で終わる可能性大。調整を終えれば再び上昇か。
★ドル円の1ドル=110円割れは大きなドル買いのチャンス。日足・週足チャートで見る限り円高のピークをつけた可能性あり。もし円安になれば再び115円付近を目指すトレンド発生か。
★長期的にはドル円はまだ円高傾向。しかしそれもボックスに変化しつつあり。今年中にダウントレンド突破に挑戦する公算大。3月以降のFOMCに注目。