新しい年が明けました。2017年は株価上昇、ドル円相場もみあいという対照的な年になりましたが今年の動きも去年からの流れを引き継ぎそうです。

新年の日経平均は高値もみあい

日経平均 日足

日経平均日足

現在(1/16)の日経平均はこのように高値もみあいになっています。昨年は与党の衆院選大勝利から4,000円以上も上昇する大相場になりましたが、さすがに23,000円台で上ヒゲを出して調整に入りました。年末は22,000~23,000円のボックスゾーンで23,000円のレジスタンスが重くのしかかっていました。

しかし、大発会から大幅上昇して23,000円の大台を奪回すると1000円上昇して24,000円を達成しました。これは正月休みの間にもNY市場が強かったからですが今年の先高感を伺う動きでした。今度は24,000円が目先の天井になるかわかりませんが、とにかく大きく下げる可能性が低いことは確かです。

方針としては日経平均は「押し目買い」の一点張りでいいでしょう。今年の日経平均は最終的には26,000円以上を達成すると予想しています。NY市場のほうも去年からというより昨年11月から「トランプ相場」が続いているように思えます。もし将来的に急落する局面があれば朝鮮半島で不測の事態が起きるかあるいは日々急上昇する総上げ相場の反動くらいなものでしょう。現時点での今年の日経平均の高値を26,000~27,000円、NYダウを三万円と予想しておきます。

ドル円相場は今年ももみ合い予想

ドル円週足

ドル円週足

対照的なのがドル円相場です。2016年11月の大統領選挙直後には株式市場が大幅上昇して為替も大幅な円安に動いたのですが、トランプ政権が貿易不均衡是正の方針を打ち出してきたこともあって2017年初から円高トレンドに転じました。ただ、その後110円割れをつけてからは円相場にも底が入り一進一退の動きになっています。去年一年間を通じてドル円はもみあいだったと言えるでしょう。上値は一ドル=115円という厳然としたレジスタンスが存在しています。

FRBが年3回の利上げ方針を決めて実行しさらに国債売却まで始めたのでドル高円安の流れが起きるかと多くの市場関係者は予想しましたが、現実にはボックスゾーンに終始しています。相場の世界には「相場に聞け」という言葉があり、これからの相場の予想を知りたかったならば現在の市場の動きを見るのが一番だということですが、それでいけば現在のドル円相場が予想のように円安に行く気配はありません。2018年の今年も当面は108~115円のボックスゾーンに終始するものと思われます。

チャートで見ても一目均衡表の雲の中に週足がはいってきているので調整局面は長引くでしょう。ただしこのまま極端に円高に行くような動きではなく、110円割れにはむしろ強力なドル買いの力があると予想しています。

日経平均に比べれば実にさえないはっきりしないもみあいの形勢が続きますが、それは為替相場が安定しているということで、結局、ドル円為替は日米双方にとってどちらに大きく動きてもあまりメリットをもたらさないということなのでしょう。去年は1月に1ドル=120円目前まで行きましたが今年は115円の壁を破って円安になってくるかどうかもわからない状況です。ドル円のトレンドに関する限り今年はトレンドの方向性を決め付けずに大まかに108~115円のボックスと考えたほうがいいかもしれません。

ドル円日足は調整局面終了へ

ドル円日足

ドル円日足

ドル円相場がいきなり円高になってきました。いろんな理由がありますが相場の基調自体が明確な円安トレンドができるような状態にないのだと思います。日足で6日連続陰線を出して1/16現在110円台へ。しかしここで始めて陽線が出ています(日本時間21:00現在)これで完全に切り替えしてくるかはわかりませんが、一応110円付近を目処に底入れしてくると予想します。

もしトレンドラインを書き入れるなら図のような下降のボックストレンドでしょう。上下が3円幅くらいで居心地のいいボックスではあるようです。予想としては数日のうちに110円近辺で底入れするはずでしょうがどうでしょうか。現在ドル円相場は大きなトレンドは生まれていませんがこのような上下動をしっかりとれればデイトレーダーでなくても利益を生めるかもしれません。

もう一度週足を見てもらえばわかりますが、このような逆行形の下げトレンドは、もみ合い相場の典型であって今年前半はこのような動きが続いてゆくと予想しています。その意味において去年からのボックスは今年も有効ですが、昨年よりもより小さな動きで円高になっては円安のような動きをしばらくは繰り返すでしょう。

アメリカの利上げと株式・ドル円相場

FOMCは2018年中に3回の利上げをすると予想されています。最初の利上げは3月のようですが、そうすると去年3、6、12月に利上げしたパターンと全く同じになる可能性があります。利上げ幅は0.25%ずつなので現在の1.5%が最終的には2.25%まで上昇することになります。リーマンショック後の金融不安の時期やギリシャ危機のときと比べれば天と地の差がありますが、アメリカ経済はいまや完全にリーマンショックから立ち直って新しい局面を迎えようとしています。

結論からいえば今の利上げペースが続いている限りにおいてはNYダウも日経平均も値を下げることはないでしょう。特にアメリカの労働市場は完全雇用に近い状況にあります。GDPの伸びも今年は2%台が予想されているのでNYダウ三万ドルという未到の大台も不可能ではないと思います。

ドル円の仕掛けどころですが、去年と同じ3、6、。12月に利上げをするということで似たようなパターンになる可能性があります。気になるのは去年12月の利上げの時に円安にならずにむしろドルが弱くなったことですが、これは現在のトレンドを反映していると考えます。つまり今年もFOMCで利上げが行われても円安に動かない可能性があります。それは利上げ当日の動きもそうで2016年の大統領選挙直後の利上げの時は円相場が数時間で二円も円安に動いたのに比べれば明らかにトレンドの変化を思わせます。もし3月の利上げが「知ったら終い」で円高のほうに振れるようであれば、今年はもう円安トレンドになることはないでしょう。

もちろん大きな円高になることはないと予想します。2018年は2017年と同じように108円~115円のボックスで年中央になってからどちらの方向に行くか新しい方向性がでてくるでしょう。もちろん最後までボックスゾーンの動きで終わる可能性もあります。

まとめ

★2017年の動きは2018年の動きを引き継ぐ。株式相場は日米ともに上昇へ。NYダウ3万ドル、日経平均26,000円も。ドル円為替は去年と同じような108~115円のボックス相場へ。
★1/16現在、ドル円は日足で見ると連続した円高局面。しかし110円付近を底に反転する可能性が大きい。日足レベルでは上下三円の円高トレンドだが動きは限られている。
★FRBはFOMCで年三回の利上げを予定。しかし昨年12月の動きを見る限り円安トレンドは生まれない可能性が高い。3月の利上げが最初に予定されているが、その時の動きが今年一年のトレンドを占う意味において重要。