自動翻訳関連銘柄について

今訪日客が急増しており、自動翻訳技術に対する注目が大きくなっています。以前から自動翻訳は関連企業が注力して取り組んできましたが、翻訳は文脈によって意味が変わりますので、技術が進歩してきませんでした。しかしながら、近年AIの進歩やビッグデータの分析技術の発展などIT技術の進歩による急激に自動翻訳関連技術が発展してきました。

2020年の東京オリンピックに向けて注目度が増している自動翻訳関連技術ですが、自動翻訳関連銘柄に興味がある方であれば

・自動翻訳とはどういった技術なのか
・どのくらい技術が進歩しているのか
・国内の関連企業はどういったところがあるのか

といったことは気になるかと思います。今回は自動翻訳の概要や関連企業について解説していきます。

自動翻訳とはいったいどんな技術?

自動翻訳とは別称で「機械翻訳」とも言います。人間の代わりにコンピューターが翻訳してくれる技術のことを言います。従前までは単語からの翻訳しかできなかったため、人間による修正が必要不可欠でした。例えば「Time flies like an arrow.」という訳であれば本来「光陰矢の如し」という訳なのですが、「タイムというハエは矢を好む」という訳でも単語のみをみると適切な翻訳をしています。

どちらも文だけを見ると正しい翻訳だったので、機械翻訳では完全に翻訳をするのは不可能に近いということが言われてきました。しかしながら、近年では急激に翻訳技術が上がってきており、本来の意味に近い文を翻訳できるようになってきました。

それを可能としてきたのが「AI」と「ビッグデータ」という二つの技術です。「ビッグデータ」により多様なデータの中から適切な翻訳を分析できるようになり、「AI」ディープラーニングによって深く学習できるようによってコンピューターは概念を学ぶことが出来ました。そのため前後の文章によってどの翻訳が正しいかを統計上から導けるようになり、「翻訳自体は間違っていないけど、文脈的におかしい」という自動翻訳の問題点を解決してくれるようになりました。

訪日客の急増により、自動翻訳の需要が伸びている

自動翻訳が注目を浴びてくるきっかけとなったのが訪日客の急増です。円安の進行や政府の後押しなどもあり、訪日客はここ数年で大きく伸びてきました。

10年前の2008年には訪日客外国人数は約840万人で、東日本大震災で急激に円高が加速した2011年には約620万人でしたが、それからアベノミクス効果や円安などにより訪日客が毎年増加していき、2017年には約2,870万人と6年前から約4.5倍と急激に増加しています。さらに東京オリンピックが控える2020年までに日本政府は訪日客4,000万人を目指すと発表しており、今後も訪日客の増加に期待が出来ます。

また自動翻訳の需要が伸びている要因は出国者数の増加にもあります。2017年の出国者数は1,788万人と急激に円高が進んだ2012年以来2番目の高い数値となりました。近年では海外旅行はもはや身近なものになってきているといっても過言ではないでしょう。

出入国者の増加によって大きく注目を浴びることとなったのが自動翻訳技術です。当然海外旅行するときに言葉の壁というのは一番解決しなければならない問題といっても過言ではないでしょう。以前は辞書や通訳などが必須でしたが、自動翻訳技術の向上によって大きく利便性が向上しました。自動翻訳技術が今後も株式市場の注目を浴びることとなるのは間違いないでしょう。それでは自動翻訳関連のサービスを提供している企業について具体的にご紹介していきます。

圧倒的な人気を誇る自動翻訳「ポケトーク」を販売しているソースネクスト

訪日客増加で大きな注目浴びている自動翻訳技術とは自動翻訳関連銘柄として大きな注目を浴びているのがソースネクストという企業です。自動翻訳のデバイスとして高い人気を誇っている「ポケトーク」を販売しており、初期出荷分はわずか11日で在庫切れになるなど高い人気を誇っています。ポケトークの人気を受けて株価も上昇しており、東京オリンピックに向けて期待度が高い企業となっています。

「ポケトーク」とは「世界50言語を、手のひらに。」というキャッチコピーの名のもと制作された自動翻訳デバイスです。日本経済新聞社の2017年第4四半期新製品ランキングで1位を獲得しています。

ポケトークには下記のような特徴があります。

・50言語を取り扱い、今後も対応言語は増加予定
・タップのみで利用できるので操作が簡単
・クラウドによる高度な翻訳エンジンを利用して高い精度で翻訳できる
・音声がクリアで聞き取りやすい

ポケトークは今最も人気がある自動翻訳機といえるでしょう。

ソースネクストは平成29年度の第三四半期決算の営業利益は8.4億円と前年同期比対比で38%減となりましたが、主因はポケトークの販路拡大、優先販売による他の既存製品の売上減とポケトークの広告宣伝費によるコスト増です。減益の要因が未来への投資によるものなので、今後の業績にかかる期待は大きいでしょう。

自動翻訳の関連銘柄ロゼッタ、みらい翻訳センター

自動翻訳関連の注目銘柄はソースネクストだけではありません。ロゼッタ【6182】も自動翻訳関連銘柄として高い技術力を持ち、注目度が高い企業です。企業向けの主力翻訳ツールである「T-400」を主体としてサービスを展開しています。利用している企業向けにカスタマイズされたデータベースを利用しているため、精度が高く、独特な言い回しも適切に翻訳してくれます。30年2月期第三四半期は営業利益が94.4%の9百万円となり、収益は落ち込みましたが、今後自動翻訳の需要が高まるにつれて、収益状況が回復していく期待は大きいでしょう。

翻訳センター【2483】も名前のとおり、自動翻訳関連銘柄として注目の企業です。一般消費者向けというよりも専門的な翻訳に特化した企業となっており、特許、医薬、工業、ローカライゼーション、金融、法務の翻訳を取り扱っています。一般消費者の需要にはあまり応えることはできませんが、今後企業の海外進出が進むにつれて収益が伸びる可能性が高い企業です。

またNTTドコモ【9437】とフュートレック【2468】と韓国のSYSTRAN INTERNATIONAL、は共同で2014年10月に株式会社みらい翻訳を設立しました。日本語を軸とした自動翻訳のサービスを提供する企業で、世界最高レベルの翻訳精度を目指しています。各企業のノウハウが集結し、高いレベルを目指せるか注目です。

上記が主な自動翻訳関連企業です。ロゼッタ、翻訳センター、NTTドコモ、フュートレックが主たる自動翻訳関連企業です。現在は伸び悩んでいる企業も多いですが、今後に大きく期待が持てる企業といえるでしょう。

東京オリンピックにはさらなる需要拡大が期待される自動翻訳

訪日客の増加に伴い今後も自動翻訳の需要は高まっていくのは間違いないでしょう。特に2020年の東京オリンピックには訪日客の大幅増加が見込まれています。政府目標の4,000万人訪日客を達成した時には自動翻訳を利用する人も大きく増え、関連企業の株価も大きくあがる可能性は高いでしょう。

・「ポケトーク」を主力としているソースネクスト
・専門的な研究をしており、企業向けの翻訳機を提供しているロゼッタ
・専門的な翻訳技術が高い翻訳センター
・みらい翻訳を共同で設立したNTTドコモ、フュートレック

上記が自動翻訳関連企業として高い注目を浴びており、今後も訪日客の増加に応じて期待感が高まる企業です。言語の壁をなくすことで外国人とのコミュニケーションのハードルは大きく下がります。今後も大きく期待がかかる自動翻訳関連銘柄への投資をぜひ検討してみてください。