今年も残り少なくなってきました。どうやら予想通り日経平均は調整局面のまま年を越しそうです。今年の成績はどうだったでしょうか?

もしあなたが株式投資家なら買いで乗っている限り大きく勝てたことでしょう。もしあなたがFXトレーダーなら難しい一年だったかもしれません。

衆議院選挙という大きなイベントがあった一年ですが、来年を予想する前にまず現在までの動きを振り返ってみようと思います。今回はとくにNY市場の株価の動きに焦点を当てます。

【現在の日経平均】

現在の日経平均

このように調整局面が続いています。23000円以上に吹き上げたあと11月SQ直前に大きな上ヒゲを出して一度急落しました。4000円以上の上昇をした後だっただけに1500円程の下げになりましたが、あくまで上げすぎた反動によるスピード調整だったようです。

ドル円為替を見る限りスパイラス的な円高も起きていなかったので、下値は限られると予想しましたがその通りになったようです。現在は22000~23000円のボックスですが上値に張り付いたような状況になっています。

欧米の市場がクリスマス休暇に入ってくるので株為替ともにしばらくは小動きになるでしょう。もしかすると年内はこのまま終わるかもしれません。

ここからの動きですが年明けに一度下に押す場面があるのではないかと見ています。新春は新年の営業努力があるので一見高そうですが、去年もトランプ大統領当選のあと似たような動きになりました。

ただ22000円付近は買いだと考えているのでいわば「買いたい弱気」でもあります。しばらくは22000~23000円は鉄板ではないかと思います。

来年はアメリカの利上げの年

さて、年末の経済的なイベントといえば12/13のFOMCで利上げが行われました。0.25%ですがこれは市場織り込み済みで発表後はむしろ円高になりました。

ここでも解説していますが一ドル115円の壁をなかなか抜けずにここまで来ました。今年いっぱいはもうクリアーするのは難しいと思います。ただ来年は利上げが連続しそうなので円安トレンドだと見ています。

株式市場への影響ですが予定されている三回の利上げにもかかわらず日米ともに高いと予想します。理由は経済―特に企業業績が好調なのと、現在の世界同時株高の流れは利上げ程度で止まらないような勢いがあるからです。

かつての日本のバブル景気の頃もそうでしたが、株価の上昇が投資資金の拡大をもたらしそれがまた株式市場を上昇させるというスパイラル現象が生じています。しかもこれは一時的なものではなく非常に強力で長期的なトレンドを生み出しています。

例えるならば一時の金や原油の市場と同じで、金融当局が相場を潰そうと思わない限りこのトレンドが急に崩れることはないはずです。もはや米金融当局の利上げとは無関係に、株式市場には新たな投資資金が積み上がりそれが株価を押し上げているような状況になっています。

ただ問題はどこかで現実の企業業績を大幅に上回る値段に株価がなってしまういわゆる「バブル」の危険性で、Bloombergなどは来年にそれが来ると予想して警告しています。

S&PとPER NY市場はバブルなのか

PER(株価収益率)は極めて基本的かつ最もポピュラーな指標ですが、今でも企業収益に比べて株価が適正であるかどうかを判断する時によく使われます。

100年以上もの長期間にわたるS&P全体のPERをグラフにしたものがありますが、それを見るととても興味深いことがわかります。

S&P PER 140年間の変化

S&PのPERグラフ

このグラフは1870年代からのS&PのPERをグラフにしたものです。もちろん企業がたえず入れ替わったりしているので、それぞれの時点での企業全体の平均値を計算し直したものだと考えてください。

これでわかるのはおよそ100年以上のNY市場の歴史において、全体のPERが20を超えた時点が天井になっているという事実です。

最初にPER20に到達したのが1880年半ばで80年代はこの水準がピークになっています。19世紀も終わりの1890年代に一度大きくPER20を超えてPER25付近まで上昇していますが、そこがこの時代のバブルの天井で1910年代のPER5倍まで約20年間下落し続けました。

その後何度もPER20倍の水準まで上昇しますが第二次大戦が終わった1945年まで全てのケースでPER20倍が天井になっています。

ここで少し補足しますが、PERの上昇は全体の企業収益に対する株価の割高な状態を意味していて、この状態は株価が下がるか企業業績が回復することによって解消されます。ふつうは株価が買われ過ぎの状態でピークに達して暴落することでPERは割安になりますが、場合によっては企業業績自体も悪化(収益低下)することでPERが割高なままになるケースもあるので一概には言えないところもあります(後のリーマンショックのパターン)

またPERが5倍くらいになると底になっているパターンが見て取れると思いますが(1910年代後半、1940年代後半、1980年の三回)ここでは株価が企業収益に比べてかなり割安状態まで下がったことを意味します。

さて、1980年代、90年代まではPER20倍以上で天井を打つというパターンは健在でした。1990年代にはおよそ100年ぶりにPER25倍付近まで行きましたがそこが天井になっています。

PERの歴史を変えたインターネット相場とリーマンショック

しかし、この長いPERの歴史の流れを変えたのがインターネット相場でなんとピークの2000年過ぎにはPER40倍まで行っています。これは2001年の同時多発テロの直前で、その後S&Pも急落してPER20倍割れまで調整。

たしかにインターネット相場はバブルでそれが訂正さましたが、その後にもっと大きな動きがやってきます。それがリーマンショックです。

この時期のPERの動きは今までの100年以上の歴史的な法則とは全く別のものでした。今までのPERが割高な時期は株価がバブル的に上昇していた時だったのですが、リーマンショックで企業が軒並み減益で全体の収益を減らす中、逆に株価が異常な割高になってしまった現象でした。

このような動きはアメリカの150年近い証券市場の動きをみても一度も例を見ないものでした。リーマンショック直後はNYダウベースでいえば5000ドル割れの水準まで下がったのですが、PER水準からいえばさらに4分の一くらいの1000~2000ドルのレベルまで下げても不思議ではなかったかもしれません。

しかし実際には企業収益の急速な回復でPERは15倍まで低下してその後株価と企業収益が両方共上昇するという理想的なかたちで現在に至っています。

現在はPER25倍

今年(2017年)12/22の時点でS&P全体のPERは25.80倍です。(20倍付近としているところもあると思いますが、あくまで長期比較で修正した数字です)

これは歴史的なPERから比べれば天井圏で割高ですが、最近の金融資本の力と世界の流れを見る限り、むしろ最終的にはインターネットバブルの頂点のPER40倍付近までいくのではないかと予想しています。

これからの詳しい変化は次回以降に譲りますがPERと株価の乖離が生まれたからすぐに暴落するのではなく、しばらくは行き着くところまでいってからバブルがはじけるパターンになる可能性の方が現実味があると思います。

今回はNY市場の株価中心の分析でしたが次回はFXに戻ってドル円の予想をします。

まとめ

★日経平均はしばらく調整予想で長ければ来年も1月いっぱい今の状態が続く。

★S&Pの20倍超えは歴史的に見れば天井圏。その後はバブルの修正が起こる。ただしインターネット相場では40倍の記録も。

★現在のPER(2017 12/22)は25.80倍。現在の経済・金融情勢から判断すれば、来年以降インターネット相場ピーク時の40倍に向けて上昇か。

仮想通貨無料配布キャンペーン