株式投資は時代の先取り

リクルートホールディングスから2018年トレンド予測が発表されました。トレンド予測とは、毎年リクルートグループが主に事業展開する、住宅や進学、飲食および美容といったキーワードとともに各分野の動向を予測したものです。

2009年に始まったトレンド予測も8年目に突入しており、世間の注目度も高まっています。現状のトレンドを知るためや、今後の予測に役立つ情報であり、リクルートグループで推進して行く動向として個人・法人を問わず注目しています。

会いに行く美容師から会いに来てくれる美容師へ

2018年のトレンド予測として、美容領域のテーマは「来るスマ美容師」となっています。会いに行けるアイドルに通じるところがあります。技術のあるカリスマ美容師のヘアサロンに通うのではなく、施設や家にやってきてくれる美容師の需要の高まりがトレンドにのると注目されています。
2018年は、介護保険制度改正や介護報酬改定の年ということもあり、高齢者の美容ニーズが伸びると検討されています。他方、美容師業界は人口減少とともにサロン数の増加で群雄割拠の様相。他店との差別化を図りたくとも、人件費の高騰や人材不足に悩まされるサロンも少なくありません。
そこで、美容室に来られない高齢者を顧客ターゲットとする美容師が増加しています。子育てなどで一線を退いていた女性たちの働き口ともなっており、職業の多様化にも対応しているといえるでしょう。
本来、美容院に行くことができる人のところに美容師を派遣することはできません。ただし、美容院に容易に行くことができない方々がいる老人ホームなどでは認められています。東京都の条例でも、山間部など美容院に行くのが困難な地域へ美容師が訪問することは認められており、高齢化が進む中で「来るスマ美容師」の需要も高まりそうです。

労働力もシニアが担う時代へ

2035年には、3人に1人以上が65歳以上となることが予測されています。「来るスマ美容師」のように、シニア世代を顧客ターゲットすると同時に、労働力についてもシニアに担ってもらう傾向が出始めています。

トレンド予測では、「年功助力」や「熟戦力」といった言葉で表現されています。「年功助力」とは、まさに「年の功=人生経験」を活かして、働くことを表しています。現在、子育てなどから解放されたシニア世代は、購買意欲なども高く、アクティブに行動したい人が多数存在しています。若年層のように教育機会を与える必要がないため、積極的な採用にシフトする企業も増加しています。

シニア世代は、いわゆるバブル世代ゆえに新しいものへの興味関心の高さと、何事にも対応可能なフレキシブルさを兼ね備えています。業務でパソコンを使用する経験を経ており、時間的な融通もきくことから、現代のフレキシブルな働き方に適応しやすい特徴があります。

なによりレジリエンスが備わっており、顧客対応のコミュニケーション能力も高い人が多いのが特徴です。コールセンターなどを中心として、今後もシニア世代の活用が推進することでしょう。

中高年の学びが加速化

2018年トレンド予測から見る未来型ビジネスを考える企業におけるシニア世代の活用とともに、一生現役を貫く人々も増加しています。特に中高年は、働きながらも資格取得などを目指し、学び続けるケースが出てきています。大学などの口座や、民間企業のセミナーなども数多く開講されてきています。

国家戦略としてリカレント教育=社会人の学び直しが推奨されており、文部科学省が認定する職業実践力育成プログラム(BP) は現在183講座、厚生労働省が認定する専門実践教育訓練給付金類型指定講座数に至っては、2017年4月段階で1450講座にのぼります。2014年の制度開始以来、3年でおよそ3倍になる計算です。

こうした背景に加えて、人生100年時代と呼ばれるようになり、同じ役職にいる停滞感や老後資金への不安などから、ビジネススクールなどに通う中高年、通称「まなミドル」が急増しています。

企業の研修は、新人に対する研修が中心で、中高年に対するものは数少ないのが現状です。中高年の向学心や現状への危機感に対して、企業の対応は充分とはいえません。

さらに、中高年の学びはステップアップしていくのが特徴です。当初は自分のスキルの棚卸しから始まり、知識や能力の体系化、最終的にはMBAなどの学位や資格取得へとつながります。

元々持っている技能に新たな知識等を加えて、独立や新たな仕事に就く中高年も増えています。今後、さらに学習を続ける社会人は増加が見込まれ、講座の新設や継続学習等のカリキュラムの充実が予測されます。

これまで、費用面での負担や時間的拘束は大きいのが障壁でした。ただし2018年、専門実践教育訓練給付金制度が改正され、給付額が最大70%となります。より一層、学びの機会は訴求されることになることが見込まれます。

おひとりさまでもOKの「ピット飲食」

リクルートグループの中でも、最大規模の事業の一つがほっとペッパーグルメなどの飲食事業です。飲食事業で注目されているのが、「ピット飲食」。多数メディアでも取り上げられているトレンドです。

現代社会の中で、個人の持つ役割が多様化しています。従来家に帰ってから自分の時間を持つ人が多数でしたが、切り替えるスキマ時間に利用できる場所が外にも求められるようになってきました。

サードプレイスと呼ばれるカフェも存在しますが、ピット飲食は就業時間後に学習や習い事などに出かける前、食事を手軽に摂れる場所での飲食を指します。主に17時台から19時台に利用されるのが特徴です。

ピット飲食で重視されているのは、おひとりさま可能で、ある程度ゆっくりと過ごせる空間であること。電源などが確保できる、駅近などの利便性も注目されています。特に女性の社会進出が進み、マルチタスクをこなす上で、頭を切り替える場所が求められています。

利用される場所はさまざまで、カフェやファミレスの他、スーパーのイートインスペースやグローサラントも活用されています。都内では、早い時間帯のバーで軽食の提供などもスタートしています。

今後、さまざまな役割を担う個人のために、飲食店の業態やサービスなども変化していくと推測されます。飲食のみならず、マルチタスクの実行のために必要な快適な空間の提供が飲食店の課題になるともいえるでしょう。

個人が生きやすい空間を求める時代へ

美容・人材活用・学習・飲食事業のトレンド予測を俯瞰すると、個人を中心として、快適な空間が一貫して求められているといえます。働き方やライフスタイルの多様化によって、住空間だけでなく、生活圏内の空間全体で居心地の良さというのが追求されています。

ファミリー世帯であれば、育住近接というように、育児に関係する施設が近い居住空間が好まれています。マンション内に保育園がある住まいが登場したり、子どもの成長に合わせて引っ越しを行うケースも少なくありません。

自分にとって居心地の良い場所を拡大していく傾向は今後も続くと見込まれます。個人の指向に合わせた快適な環境作りに寄与するサービスが認知されていくことでしょう。

同時に居住地から職場や保育園、趣味のサークルといった拠点が容易に結びつく場所が好まれ、それ以外の場所から人口の流出も進んでいます。若年層の中には拠点を複数持ち、一カ所に留まらず生活する人々もいます。個人のライフスタイルの変動も大きくなる中、いかに柔軟に消費者の求めるサービスを提供できるかがますます重要となっていくことでしょう。