投資の情報を仕入れるツールには、新聞、雑誌、インターネット、そしてテレビがあります。中でもテレビ東京は日本経済新聞社系列だけに、投資のヒントになる経済番組が充実しています。そこで今回は、投資家に知られた有名番組から、普段気が付かないマイナーな番組まで、テレビ東京系列の経済番組ガイドをお届けします。
日経新聞と連携した豊富な経済番組コンテンツが魅力
テレビ東京が経済番組を多く放送しているのには、各テレビ局と新聞社との関係を知る必要があります。民放キー局と新聞社の関係は以下の通りです。
日本テレビ ⇔ 読売新聞
テレビ朝日 ⇔ 朝日新聞
TBSテレビ ⇔ 毎日新聞
テレビ東京 ⇔ 日本経済新聞
フジテレビ ⇔ 産経新聞
テレビ東京は日本経済新聞社が31.4%の筆頭株主になっています。そのため日経が提供する冠番組があったり、日経CNBCと提携していたりと、両社の持ち味を生かしたコンテンツが豊富で、投資のヒントに溢れています。それでは、各番組の放送時間と内容をご紹介しましょう。
●Newsモーニング・サテライト(毎週月~金曜日、5:45~7:05)
起きがけから出勤前までの時間に放送されている、ビジネスマン向け報道番組。朝食を食べながら情報を仕入れられるので便利です。内容は「ニューヨーク証券取引所中継」「日本株見通し」「きょうの株価材料」「プロの眼」「為替見通し」など興味深い項目が並んでいます。ビジネスマン必見の番組といって良いでしょう。メインキャスターは佐々木明子。
●Mナビ(毎週月~金曜日、9:21~9:28)
東京株式市場の寄り付き後の株価を伝える相場情報番組。株価は寄り付き後の30分間でその日の方向性がわかるといわれることから、確認に利用したい番組です。
●Mプラス11(毎週月~金曜日、11:13~11:35)
ニュースのほか、相場分析と東京株式市場の前場の終値を速報します。BS放送の「日経CNBC」と提携しており、同番組のキャスターや解説委員も出演しています。キャスターは倉野麻里、前田真理子。
●ゆうがたサテライト(毎週月~金曜日、4:54~5:45)
経済ニュースのほか、トレンドを紹介する特集や、投資に役立つコーナーも充実しています。メインキャスターは塩田真弓、池谷亨。
●ワールド・ビジネス・サテライト(毎週月~金曜日、23:00~23:58)
ご存知小池百合子東京都知事がかつてキャスターを務めていたことで知られる、老舗の経済ニュース番組。スタートは1988年で、バブル最盛期の頃でした。国際的な話題が多いので、外国株に投資している方には必須の経済番組です。番組終盤では取引が始まったニューヨーク市場の現在値を確認できます。現在のメインキャスターは大江麻理子。
●日経スペシャル 未来世紀ジパング(毎週月曜日、22:00~22:54)
日本経済新聞社提供。世界各地から見た日本(ジパング)の姿や魅力を浮き彫りにする番組です。進行役はタレントのSHELLYと、アナウンサーの片渕茜。ナレーターを俳優蟹江啓三の息子蟹江一平が担当しています。
●夢遺産~リーダーの夢の先~(毎週月曜日、22:54~22:59)
5分の帯番組。成功を収めている企業経営者の「子供の頃の夢」や「今の夢」を紹介する番組。その経営者の今を創った原動力になったものが見えてきます。5分で見られる手軽な番組ですし、注目すべき点があれば社名をメモっておくことで、あとで役に立つかもしれません。ナレーターはタレントの川島海荷。
●ガイアの夜明け(毎週火曜日、22:00~22:54)
株価にもっとも影響を与えるといわれる番組です。この番組で放送された企業の株価が放送後上昇することが多いため、いつしか投資家の間で「ガイア銘柄」と呼ばれるようになりました。実際この番組を見ると、その企業が実に魅力的に映りますし、今後の業績が伸びる予感がするのは納得できます。期待できる会社があったら、100株だけでも買っておけばあとで後悔しなくて済むでしょう。案内人は俳優の江口洋介。毎週金曜日18:00からBSジャパンで再放送されています。
●カンブリア宮殿(毎週木曜日、22:00~22:54)
話題の企業の社長をゲストに呼び、会社経営のロマンや自身の生き方などを聞き出す、インタビュー番組。進行役は作家の村上龍とタレントの小池栄子。村上の作家らしい落ち着きのある知的なインタビューの仕方は好感が持てます。「ガイアの夜明け」が企業にスポットを当てるのに対し、こちらは社長の人となりや、事業に対する考え方を知ることができるので、投資家の方には両方を見ることをおすすめします。
●NEC presents ミライダネ(毎週土曜日、22:30~23:00)
こちらはNECの提供だけあって、未来に通じるあらゆる技術革新の話題を紹介する番組です。取り上げる分野はICT(情報通信技術)IoT(インターネットを通して実現する技術)AI(人工知能)など。ナレーターは落語家の春風亭昇々。
以上、テレビ東京系列で2017年12月8日現在放送されている経済番組をご紹介しましたが、万一見逃してしまった場合は、月額500円はかかりますが、テレビ東京オンデマンドで視聴することができます。
【株主優待情報】
テレビ東京ホールディングス(優待獲得最低投資額:247,600円)
100株以上(全員) 3月31日現在の株主に500円分のオリジナルQUOカード贈呈
100株以上(抽選) 3月31日、9月30日現在の株主を、歌番組の収録に招待
テレビ局の株主優待らしく、歌番組の収録に応募できるのが魅力。おもな招待番組は「夏祭り!にっぽんの歌」「年忘れにっぽんの歌」など。抽選での招待で、テレビ局発表の2017年度応募状況は以下の通りです。
「夏祭り!にっぽんの歌」 400組招待に対し、3,210通の応募で競争率8倍
「年忘れにっぽんの歌」 250組招待に対し、3,207通の応募で競争率12.8倍
【株価分析】
テレビ東京ホールディングス
・株価=2,476円(2017年12月8日終値)
・年初来高値=2,692円(2月14日)
・年初来安値=2,208円(6月14日)
・株価位置レシオ=55.4%
・予想1株配当=40円
・予想配当利回り=1.62%
・予想PER(株価収益率)=17.81倍
・実績PBR(株価純資産倍率)=0.9倍
株価位置レシオは、55.4%で「中間圏」。2月14日に2,692円の年初来高値を付けたあと下落に転じ、6月14日には2,208円の年初来安値まで沈みました。現在は出直り歩調となっています。上値余地は十分あると考えて良いでしょう。指標的には、予想PER、実績PBRとも特に割高感はありません。株主還元については配当性向30%を目標にここ2年は40円配当を実施しています。株主優待のQUOカード500円分を加算した総合利回りは100株保有の場合で1.82%とまずまずの水準です。
2018年3月期の業績は微減益の予想。スポット広告等は苦戦するものの、「おそ松さん」などのアニメ関連が好調。中国で「NARUTO」のスマホゲーム配信による課金収入も貢献し、減益幅は縮小の見込みです。目先の業績は低調ですが、2020年の東京オリンピック開催時はかなりのスポット広告の増加が期待できます。テレビ各社はオリンピック特需関連銘柄の一角でもあります。
また、長い目で見た場合テレビ東京の番組は、歌番組、旅番組、グルメ番組、レトロ系番組など中高年受けするコンテンツが多く、今後の社会の高齢化は同社に有利に働く可能性があります。信用倍率が0.35倍の好取組となっていることもあり、投資方針は「買い」です。
※「株価位置レシオ」とは、年初来高値、年初来安値と比較して、現在の株価がどの程度の位置にあるかを示す指標です。数値が高いほど高値圏、低いほど安値圏にあることがわかります。