衆議院選挙で日本の自民党が大勝して日経平均が更に上昇しましたが勢いが止まらなくなっています。11/3のCMEで22500円超えとバブル崩壊以後では1996年に並ぶ高値圏になってきました。

【日経平均 日足】

日経平均日足

日足ではほとんど一直線に上昇し続けていますね。このような上昇ラインは日銀による「黒田バズーカ」以来の状況ですがこのままどこまで上昇相場が続くでしょうか。それを予想してみました。

現在、衆院選挙前の押し目からは約40日の上昇が続いています。この上昇期間は日銀の二回の大きな金融緩和直後よりも既に長くなっています。途中押しらしい押し目がはいっていないのもすごいですがまさに一方的な上昇相場になっています。

しかし、日ベースでみると一日に500円以上上昇するわけでもなく200円くらいの幅で止まっているので、一方的な過熱相場というわけではありません。それが今の上昇相場が続いている理由だと思います。歴史的な高値に近づいているにもかかわらず非常に落ち着いた動きをしているのが40日間も上昇している理由でしょう。

ここからの展開は二つ考えられます。

このまましっかりと現在のような上昇を続けるケースと、
ここから一気に加速して最後の吹上げ相場の展開になるケースです。

もし今のような状態で上昇を続けるのなら調整が来ても限定的に終わり、今年二回あった調整期のようにもみあいに移行するパターンになるでしょう。

【日経平均 週足】

日経平均週足

しかし、もしここから加速度的に相場が上昇するようなことになれば日経平均は23000円台すら超えてそれこそ歴史的な位置で天井をつけてしまう可能性もあります。もちろん今の相場の力ならばそれで終わりになるのではなくまた下値で買いなおされてその天井すらやがて超えていくでしょうが、とにかく目先の天井をつけて急落調整する可能性もあります。パターンとしては2013年の5月の高値のようなパターンです。

いまのところどちらになるかわかりません。22000円付近で落ちかけた時に最後に買い方が逆襲して500円近くあげた日が一日ありましたが、その後は再び200円くらいずつの上昇パターンに戻ってきています。

このままの状況ならばたとえば23000円くらいの高値になった後でもみ合いに移って上下1000円以内の調整を続けたあとで来年の新年相場を待つパターンになるでしょう。今年二回ある調整の形はそのパターンだったので今回もそうなるかもしれません。

ただ、もし今から日経の上昇が加速して一日に500円近くも上げる日が出てくればその時は本当に過熱相場の吹き上げ的な状況になって、大天井をつけて一度は暴落するでしょう。その時の値幅は1000円以内のものではなく、2013年5月に見せたような3000円を超える可能性もあります。

現在の日経平均が22000円を超えているので指数の一割といっても2200円くらいあります。あなたも日経平均の動きを体験して知っていると思いますが、年間に一割程度の調整はザラにあります。日経は一度動き始めると1000円~2000円位は普通に動くのでいきなりそんな規模の調整が起きても不思議ではありません。

ただ、断っておきたいのはチャートの上で目先大天井のような形ができても、それはあくまで短期的な話で、下値では買いが入り時間がかかってもやがてはその高値を超えていくでしょう。世界同時株高の状況をみてもそれだけの強さが今の日本の株にはあります。

ドル円相場の現状

【ドル円  日足】

ドル円日足

実に華々しい動きをしている日経平均に比べてドル円相場は円安傾向ではあるもののゆっくりした動きになっています。日経平均の動きをドル円の動きと連動させて考えていたディーラーは為替の方では苦戦を強いられているようです。

選挙後はやや円安の方向に動いてはいますが、それほど大きな動きではありません。現在は115円手前にある抵抗帯に近づいてきています。今の状況では年末までにここを抜いていくかもしれませんが神経質な動きを強いられそうです。

株の方は世界同時株高の傾向を受けて新高値を更新している銘柄も多いですが、円相場はアメリカの貿易不均衡是正への円高圧力がかかっているためにどうして歩みが鈍くなります。

ちょっとしたきっかけでまた円高がぶり返すのではないかという微妙な動きを続けたままついに114円付近まで来ました。ここから年末まではゆっくりと円安に移行して行くかもしれませんが、何度も115円付近では円高に引き戻されるような動きが続くでしょう。

12月のFOMCでは現在のアメリカのインフレ率が下がっていることから利上げ見送り観測もありますが、個人的には利上げが実行されると予想しています。理由は現在のアメリカの経済や株価が好調なのでできるだけ利上げの計画を遂行していったほうがいいからです。

アメリカは今の好調な経済と株高を利用してマイペースの利上げを続けていくものと思われます。インフレ率も重要ですが雇用統計が好調なうちはこの方針は変わらないでしょう。

【ドル円 週足】

ドル円週足

 

 

ドル円の週足を見ればここ数年の中長期的なトレンドがよくわかりますね。2015年にはまだ株高と円安が同時に進んでいたので、ドル円為替も120円台になっていました。この期間は日経平均も二万円台で、日経二万円とドル円120円というのが定着しかけている状況でした。

ところが2016年になりアメリカの利上げをきっかけに世界の株式相場が崩れ、為替も円高が急速に進みました。2016年5月には一ドル100円の場面がありましたが流石にそこは円高のピークだったようです。きれいに三尊底をつけたあとの反発してあとは上昇に転じています。

しかしトランプ大統領が就任して自国優位の貿易政策を打ち出すと急に円安傾向には止めがかかりました。一時は110円を割る水準まで円高が進みましたがその後は戻して現在は115円手前まできています。

ここからの予想 円ドル為替

基本的に円安傾向はまだ続くものと思われます。ひとえに世界の株式市場が上昇傾向にあり、経済の状態もいいので日本市場も今の状態ならば円安はゆるやかながらも続くでしょう。

アメリカのFOMCでの国債売却と利上げ傾向が続けば、来年は120円付近までの円安もありえると予想します。ただその勢いは弱く一進一退で気を揉ませる展開になるでしょう。もともとドル円レ-トは日米間の政治・経済的なレートである傾向が強いので、どちらか一方に極端に触れる動きはこれからはないはずです。日米両国とも今の状態でドル円相場が安定してくれることを望んでいるでしょう。

もしドル円相場が年末から来年にかけて120円に達するようなことがあれば、達成感からそこではもみ合いの動きになると予想されます。為替レートには一方的な勝者は存在せず、より適正なレートがあるだけです。現在の状況では115円~120円付近がそうではないかと見ています。

まとめ

★日経平均の水準はバブル崩壊後の1996年高値の水準。23000円超えもあるか。ゆっくりした上昇が続くなら高値をつけたあとももみ合いに。急上昇すれば大幅な調整も。

★ドル円為替はゆるやかな円安へ。神経質な展開ながらも115円超えから来年は120円付近を伺う可能性。

★日経平均は来年も歴史的上昇相場が続く。ドル円相場は120円をつけたあとボックスゾーンで安定へ。