少額資金で分散投資が可能なソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングが普及し始めた頃は、ソーシャルレンディングは危険だと思われて、投資をしないように呼びかける人たちも多くいました。銀行が貸そうとしない危ない企業に融資をするのだから、投資したお金が返ってこなくなる恐れがあると言われて、初めの方は人気があまりありませんでした。しかし、意外なことに債務不履行どころか延滞になる案件があまりにも少なくて、逆にソーシャルレンディングは安全と思われるようになり、利回りしか見ないで投資する人たちが増えてきました。あまりにも安全に運用されるものだから、人気が出て瞬殺になる案件もあり、運営会社も新規参入があって数がどんどん増えていきました。ただ延滞が無くなったわけではなく、「みんなのクレジット」みたいな運営会社が悪質な場合もあり、必ずしも安全だと言えません。その為少しでも安全に運用するためにソーシャルレンディングは分散投資で投資すべきです。

ソーシャルレンディングは分散投資に向いてる商品です

ソーシャルレンディングは分散投資に向いている仕組みになっています。まず最低投資単位が意外と低く業者によっては1万円から投資できます。投資金額が低いと手数料負けすると思われがちですが、購入手数料は無料で満期を迎えればそのまま現金で口座に戻ります。手数料があるとしたら銀行からの入金の手数料と銀行への出金手数料です。運営会社によっては出金手数料無料のところがあります。同じく少額で投資できるものとして投資信託がありますが、投資信託は買った後に基準価額が下がる場合があります。基準価額が下がったまま解約をすると損をしますから、損をしないで解約する場合は、基準価額が買値を上回るまで待つ必要があります。その点ソーシャルレンディングは、満期には投資額そのままで戻ってきますから、損をする心配は無いです。

ソーシャルレンディングで分散投資をする場合は、複数の案件に投資をすることになります。複数の案件ってどれくらいの数に投資をすればよいかとなりますが、推奨的には100案件ほど投資すべきです。100案件は多過ぎると思えますが、デフォルト(債務不履行)率が1%なら、6%の利回りの案件100案件に投資した場合、1%がマイナスになっても約5%の利回りで投資になります。6%の利益から1%の損失を引く感じになります。ソーシャルレンディングのデフォルト率は意外と低く、業界合わせて1%も無いのですが、一応多めに見積もって1%で計算してみました。仮にデフォルトになっても担保を取っているから全損は無く、ある程度は返ってきます。それを考えたら50銘柄でもよいかもしれません。50銘柄でも管理が面倒と思えますが、株と違って価格の変動が無いし、途中解約もできないから投資したら後は放置だから、管理は楽です。何かあったら運営会社がメールでお知らせしてくれますから、それまでずっと放置でいいでしょう。

複数のソーシャルレンディング案件に投資をするならば

複数の案件に投資をする場合は、一つの運営会社が一度に50案件も募集しませんから、必然的に複数の運営会社の利用になります。複数の運営会社でも一度に4つも5つも募集しないから、案件一つずつ投資になってしまいます。数的にはどんな案件でも投資をすることになりますが、分散投資で一つ一つのリスクを抑えていますから、気楽に投資をすべきです。複数の案件は、期間もばらばらで満期のタイミングが違います。別に満期が来て償還されれば次の案件に投資をすればいいだけで、これも気にすることは無いです。問題なのは各自利回りが違うから、総合的な利回りが計算しにくい問題があります。満期も1年ではなく数ヶ月とかでしたら、余計計算しにくいので、こういう場合は利回り計算はもう考えなくて、儲かればいいと思って投資です。

怪しい運営会社の案件には投資をしてはいけない

「みんなのクレジット」の被害者の方々が大騒ぎしていますが、数百万円も投資した人は、なぜ分散投資をしなかったのかと不思議に思えてきます。キャッシュバックにつられて数百万円も投資って、ソーシャルレンディングをなめていたお前が悪いって、言いたくなるレベルです。ここまで分散投資をすれば確実に儲かると思えるように説明してきましたが、それではソーシャルレンディングをなめているとこちらも非難されても仕方が無いところです。分散投資をすればリスクがゼロになるわけでは無く、分散投資をすれば必ず大丈夫だと言えないです。分散投資のどういうところが駄目なのかをこれから説明していきます。まず怪しい運営会社の案件には投資をしないことです。分散投資と言えども運営会社が100社どころか50社もあるわけなく、増えたから十数社ほどですが、多くても十数社程度では分散効果が低いです。そんな状態で危ない運営会社の案件にまで投資して、それが全額損になったら他の案件の収益だけじゃ損失を埋められるわけもなく、分散が逆効果になってしまいます。だから怪しげな運営会社の案件に手を出さないよう運営会社のチェックが必要になってきます。

ソーシャルレンディングは全部が危ない案件ではなく、全額投資したくなるような良い案件もあります。それなのに優良案件に最低金額だけ投資して、危ない案件にも投資は、さすがに分散投資にこだわり過ぎとなります。多少利回りが高くてもリスクを取ってまで、投資をするほどの利回り差では無いですから、優良案件には大目に投資をしてもいいでしょう。ただ初心者にありがちな優良と思えても実は優良ではない案件もあります。運営会社の案件説明にはいろいろ嘘が混じっている場合がありますから、説明を安易に信じないでリスクを考えて分散投資をするのが無難です。

高利回りには理由があると思って手を出さない

分散投資だから大丈夫と高利回りの案件に手を出すのは危険です。運営会社の中には海外の企業に融資をする案件を扱う会社もあります。海外は延滞リスクが高く、実際に延滞になった案件もあります。高利回りでも海外は危ないから手を出さない方がいいでしょう。さらに高利回りを狙ってデフォルトになった案件が3社も4社もあったら、例えプラスでもソーシャルレンディングで運用する意味が無い利回りになってしまいます。また高利回りで無くても借り換えばかりの企業の案件もやばいです。借り換え続きなら、いつかは資金がショートして破綻してしまいます。少しでも損をしないためにも、案件のチェックは必要になってきます。

分散しきれない金額の場合はどうすべきか

ソーシャルレンディングの最低投資単位は万単位ですから、資金が50案件にも分散できない金額だとどうしても分散が不十分になります。これだけデフォルト率が低ければ別に分散しなくても大丈夫に思えてきますが、万が一デフォルトしたら、損失が大き過ぎて取り返すまで十数年必要とかのレベルになります。どうしてもソーシャルレンディングで投資をするならば、できるだけ分散するか分散しきれるだけの金額ができるまで待つかです。投資なら投資信託もありますから、資金が貯まるまで他で運用した方がいいでしょう。まだ数が少ないですけど保証付き案件というのがあって、保証会社が保証してくれたり、運営会社の親会社が全額返済を保証してくれたりするのもありますから、そういう案件にだけ投資をして、資金が増えるのを待つことです。

ソーシャルレンディングは、デフォルト率があまりにも低くて危険性を訴える人たちが、ほんと居なくなってきました。しかし一応目立たないだけで少しはデフォルトが発生しています。担保を取っているとはいえ、確実な保証が無い以上、面倒でも分散投資を心がけて、少しでも安心して投資ができるようにして、投資をしていることを忘れるくらいになりましょう。