不動産投資での長期利回りを考える

不動産投資の利益は総合的に考える

資産運用というものには必ずリスクがついて回ります。銀行預金の場合には、元本が保証されているという一種の保険がついている分、ローリスクローリターンで金利が0.01%となり、無いよりはマシというような資産運用になります。不動産投資や株取引などによる資産運用は、ハイリスクハイリターンのため、しっかりとした知識を身に着けリスク管理を徹底していれば、大きな利益を得ることができます。

最初に、不動産投資を行う上で理解しておかなければならないものの1つに「利回り」があります。利回りとは、購入価格に対する年間の家賃収入割合を表しているので、物件の価格が適正価格かどうかの判断や、物件購入の際の借り入れの返済計画などの立案に用いられたりします。利回りは全部で3種類あり、それぞれに計算方法や何を基準に算定されているかが異なってくるため、しっかりと把握しておく必要があります。それぞれの利回りの計算方法と違いについて見ていきましょう。

利回りの計算方法

利回りには「表面利回り」「実質利回り」「想定利回り」の3種類あります。その中でも、よく不動産会社からもらう資料に記載してあるのは「表面利回り」と「想定利回り」の2種類になります。

<表面利回り>
表面利回りとは単純に購入価格と現在の家賃収入などがどの程度の割合になっているのかを調べる計算式になります。不動産取引において最も用いられている利回りの計算方法になります。不動産の価格は利回りを基準にして大体の目安を決定します。そのため、入居者が多い時期に資料を作成した場合などは現状とは少し利回りが異なってくる場合があります。年間収入がどの時点を基準とされたものかをしっかりと確認しておくことが必要です。具体的な計算式は下記のようになります。

表面利回り=年間収入(現状)÷購入価格

<実質利回り>

実質利回りとは収入面だけでなく、修繕費などのランニングコストを考慮し、支出面も利回りに取り入れることによって、より現実に近い利回りを計算できます。主に発生するランニングコストは水道光熱費があります。水道光熱費は部屋を除いた共用部分(廊下やエントランスなどの照明や植栽の水やりなど)に生じたものを負担する場合もあれば、家賃に入居者の使用する水道光熱費を含んでいる物件もあるので、ランニングコストが必要以上に発生する場合があります。水道光熱費の他に、不動産会社に管理委託した場合には管理費が発生するので注意が必要です。具体的な計算式は下記のようになります。

実質利回り=(年間収入ー年間支出)÷購入価格

<想定利回り>
満室を想定した場合にどの程度の割合になっているのかを調べる計算式になります。不動産会社が提供する資料にはだいたい表面利回りと想定利回りの2つが記載してあることが多いです。想定利回りが建築当時のものであった場合、築年数の経過に伴う賃料改定などにより、満室でも表面利回りとの誤差が生じる場合があるので注意が必要です。具体的な計算式は下記のようになります。

想定利回り=年間収入(満室)÷購入価格

実質利回りの確認

ハイリスクハイリターンの不動産投資では利回り知識とリスク管理が重要です利回りの計算方法と特徴についてはしっかりと理解できたと思います。利回りは物件の価格が適正価格なのかどうかを判断する基準になる上に、借りた物件購入費用の返済計画の立案にも用いられるほど重要な指標になっています。記載されている内容がどの利回りなのかによって大きな誤差が生じます。表面利回りでは修繕費や水道光熱費などのランニングコスト、想定利回りではランニングコストに加え現在の空き部屋が考慮に入れられていないため、実質利回りとの誤差が大きくなります。例えば、1億円の中古賃貸物件が想定利回り10%で売却されていた場合は、年間の収入が1億円の10%の1000万円で、単純に計算すれば10年間で投資した分を回収することができることになります。しかし、実際の入居率が80%であった場合には、表面利回りは8%となり、家賃収入が800万円となるため、回収には12年半かかることになります。また水道光熱費や修繕費、管理費などのランニングコストを考慮して仮に実質利回りが5%となった場合には、家賃収入が500万円となり、回収には20年かかってしまうことになります。

上記のように記載されている利回りによって投資に対する回収に大幅なずれが生じることがわかりました。しかし、残念ながら不動産会社が提示する書類には「想定利回り」と「表面利回り」の記載が主になっているため、なかなか実質利回りを知ることができません。不動産会社に管理委託する場合などは、管理費が家賃収入の5%になることが多く、また不動産会社が行っている一括借り上げの場合などには、空き部屋が生じていても満室分の家賃が保証してもらえますが、管理費が家賃収入の10%となるなど管理費もランニングコストのかなりの割合を占めます。空き部屋が生じた後に入居者が見つかった場合には、新しい入居者の家賃の2ヵ月分を募集期間の間の広告費として徴収する場合もあり、しっかりとランニングコストにどの程度の費用が発生するのか確認しておく必要があります。

返済計画への影響

上記のように「表面利回り」「想定利回り」「実質利回り」のどれを参考するかによって投資資金の回収が大幅に違ってくることが理解できたと思います。新築物件の場合は、土地の購入費用や建物の建築費用など、最初の初期投資に多額の費用が発生しますが、修繕費などのランニングコストがしばらく発生しない分、想定利回りに近い収入を確保できます。中古物件の場合は、土地と建物がセットになった状態で売却されている分、初期投資を比較的抑えることができる一方、築年数の経過とともに入居者の入れ替わり時に修繕を行うため、ランニングコストが多く発生します。月の家賃収入全てを修繕費に回さなければならない場合もあるので想定利回りや表面利回りの高さに騙されないように、実質利回りがいくらになるのかを把握する必要があります。また、利回りに駐車場使用料が計上されている場合などは、物件が駅近くなどの場合には駐車場収入が見込めない場合もあるので注意が必要です。

不動産ならではの投資の特徴を理解する

数ある資産運用の中でも、株式投資やFX、不動産投資といったハイリスクハイリターンの投資に関しては、手を出したくても元本保証がされていない分、恐怖から手を出せない人も多いと思われます。しかし、どの投資に関してもリスクが高くなってしまうのは自分自身の知識が確かなものではないため、そのようなことになってしまいます。投資のいい面ばかりを見るのではなく、しっかりと悪い面も把握した中で、どの投資が自分に一番合っているのかを判断する必要があります。

不動産投資に関しては、株取引のように簡単に売買できるものではなく、その先何十年を見据えて投資を行います。新規に土地を購入し、建物を建築する場合には初期投資が多くなってしまい、リスクが高くなりやすくなりますが、中古の賃貸物件の場合には、土地と建物がセットで比較的安価に売りに出ている場合があります。利回りが一つの判断基準になりますが、その建物の「場所」「坪数」「部屋数」「部屋の大きさ」など様々な条件を調べてみると利回り以上に好条件の物件が見つかる場合もあります。まずは、しっかりと不動産投資に対する知識を身に着け、少しでもリスクを抑えながらハイリターンを目指せるようにしましょう。

<【不動産投資での長期利回りを考える】ハイリスクハイリターンの不動産投資では利回り知識とリスク管理が重要です>まとめ

1.利回りは全部で3種類あり、それぞれの計算方法や算定基準を把握する
2.表面利回りと実質利回りの計算方法を理解する
3.ランニングコストにどの程度の費用が発生するのか確認しておく必要がある
4.返済計画への影響のため、実質利回りがいくらになるのかを把握する
5.不動産投資は、その先何十年を見据えた投資である事を理解して行う

株式投資やFX投資のように簡単に売買できないのが不動産投資ですので、「とりあえずやってみよう」では、失敗した時の影響はかなり大きくなります。そのためにもまずはしっかりと不動産投資に必要な知識を身につける必要があります。また計画的な行動が必要で、特に利回りに関しては、徹底的にシミュレーションを行う必要があります。それでも成功した時の収入の安定性は高い投資ですので、腰を据えて取り組むと良いでしょう。