株式投資がさらに楽しくなる米国株式投資

株式投資を行う日本人の多くの方にとっては、基本的に投資先は日本企業にする人が大多数になると思われます。しかし、株式投資は今や海外の株式を買うことも非常に簡単になっています。今回は、そんな海外の株式である、米国株式についてお伝えしていきます。

世界経済のトップに立つ米国への投資

米国と言えば世界経済のトップの国になります。日本も経済大国だとは言われていますが、株価自体はバブル崩壊後に下がり続け、全盛期から株価は約半分の値段となってしまっています。それに引き換え、米国はGDPでは世界一を誇っており、株価も長期で見れば基本的に右肩上がりで、最近でも株価は過去最高値を更新するなど、その経済成長はとどまるところを知りません。更に、経済の成長に欠かせない人口においても増加傾向にあり、高齢化社会の日本とは違い、今後も経済の成長が見込めるという正に株式投資を行うにあたって、非常に良い投資先であると思われます。

ROEが非常に高い

米国企業のROE(自己資本比利益率)は非常に高いことで有名です。ROEとは、株主が投資してくれた資本に対して、企業が株主の為にどれだけの利益を上げたかを示す財務指標の一つとなります。例えば、企業が投資家から100万円の株主資本を受け取ったとします。
これをROE10%で経営を行うと、純利益は10万円となり、株主資本は110万円になります。そして翌年度もROE10%とすると、利益は11万円となり、株主資本は121万円になります。これをどんどん繰り返していくと、資産が大きく膨らんでいくことになります。
つまり、ROEが高いと純利益が増えていきやすい状態になり、より良い経営を行いやすくなります。

一般的にROEが20%以上の企業は優秀とされており、株式投資を行う際には必ず見ておくべき数値と言えます。日本の企業のROEは目標が8%であり、ROEが高い企業ですら10%程度という現状の中、米国の企業であれば、20%を超える企業が多く存在します。皆さんがご存知のコカ・コーラ社は長年30%近くのROEを維持し続けております。その他にも米国には20%以上を維持し続けている優秀な企業が多く、良い投資先を非常に見つけやすい市場と言えるでしょう。

株主還元意識が高い

株主還元とは企業が得た利益を株主に還元することを言います。日本株式の配当利回りが高くて3%~4%であると思われますが、米国企業であれば配当利回りが5%を超える企業が存在します。更に驚くべきことに毎年配当金の増配を行い、連続増配年数が30年を超えている企業も多く存在します。このように米国企業は株主に対して利益を還元する意識が非常に高いのです。毎年投資額の5%程度配当金が貰え、更に増配もされていきますので、年々貰える額は増えていくのです。

なぜここまで株主還元意識が違うのかと言うと、経営者の会社に対する考えの違いによります。米国の企業では、会社は「株主のもの」という考え方であり、いわゆる株主資本主義で会社を経営しています。その考え方とは逆に、日本の企業では「会社は経営者のもの」とする風潮の企業が多く、この考え方の違いから、株主に対する還元意識の差が生まれてきています。このことから、米国企業であれば、業績が悪かったとしてもなかなか減配にはしません。しかし、日本企業であれば、配当を0円にする企業も出てくるのです。そういった点からも、米国の企業へ投資した方が安全であり、メリットがあると言えます。

日本の株式と異なる点

株式投資がさらに楽しくなる米国株式投資日本株と米国株が異なる点は多くあります。まず初めに、購入できる株式単位が日本株は100株~1,000株なのに対し、米国株では1株から購入することができます。つまり、日本株でトヨタ等の優良企業の株式を買おうと思ったとしても、1株の値段が高い上に100株が最低単位なので、数十万の資金が必要になり、纏まったお金がない場合、購入することすらできないのです。米国株であれば、1株から購入できるので、少ない資金でも気軽に購入することが可能です。

次に、配当の違いです。日本株では基本的に年2回の配当がありますが、米国株では年に4回の配当になります。利回りは変わらないので、年2回でも年4回でも最終的に貰える配当金は変わりませんが、多い方が気持ち的に多く貰っている気分になると思います。購入する株式の組み合わせ次第では、毎月配当金が貰えるなんてことも可能です。

最後に株主優待の違いです。株主優待は日本独自の制度になります。米国株式には株主優待はありませんが、その代わりに配当金が多い企業が多くなります。このように、日本と米国の株式には多くの違いがあるのです。

米国株式投資の注意点

これまで米国株式の利点を多くご紹介してきましたが、日本から米国株へ投資すると、デメリットも存在してきます。1つ目に為替リスクです。米国株式を購入するためには、日本円からドルへ外貨両替する必要があります。ずっとドルで持っておくなら問題は無いですが、米国株投資で得た利益を日本円へ戻す人が大半だと思われますので、両替した時よりも円高になってしまえば、含み損が発生してしまいます。もし円高と株安が同時に来てしまえば、その損失は加速してしまいます。このリスクを理解して、投資を行うように心掛けましょう。

2つ目に手数料です。日本株式であれば、数百円の手数料で購入することができますが、米国株式であれば当然手数料は高くなってしまい、数千円も取られてしまいます。ただし、最近では手数料が安くなってきている証券会社も多く、最高でも2,500円程度で、小単位の購入であれば、数百円で済んでしまいます。日本株を購入するより少し高い程度ですが、ここも理解しておきましょう。

3つ目に税金です。日本株式で利益を得た場合に掛かる税金は約20%程度ですが、米国株式で利益を得た場合には、日本での税金約20%に加え、米国での税金が約10%課税されます。つまり2重課税となってしまい、非常に利益から差し引かれてしまう計算になります。しかし、確定申告を行えば、米国での課税10%が免除されます。必ず確定申告を行うようにしましょう。更に、税金で覚えておきたいのが、NISAによる非課税についてです。NISAは投資で得た利益に掛かる税金が免除される制度ですが、これは日本の税金しか免除されず、米国での税金は残ってしまいます。つまり、NISAを利用して米国株式を購入した場合、日本での税金の20%は免除されますが、米国への税金は約10%支払う必要があります。ここは必ず覚えておき、脱税になってしまわないように注意しましょう。

米国株式には多くの魅力が存在しますが、投資する際には上記の通り少し注意点もあります。理解していれば特に問題ありませんが、何も知らずに米国株式へ投資していると、思わぬ損失を被ることもあります。それさえ理解していれば米国株式市場は投資対象としては最高の場となります。

更に、基本的に日本株式しか投資をしていないと、経済的なニュース等はどうしても日本のみの情報しか得ようとしないと思います。米国株式を持っていることによって、必ず投資した企業の情報は確認することになりますし、そこから世界の出来事や、為替についてなど、様々な経済面の情報を拾い集めることになり、狭かった自分の世界が一気に広がります。日本しか見ていなかった方も、世界への投資へ是非一度羽ばたいて見て下さい。きっと、より投資が楽しくなること間違いなしです。

<【株式投資がさらに楽しくなる米国株式投資】メリット満載の米国株式を投資対象として考えてみましょう>まとめ

1.今後も経済の成長が見込める世界経済トップに立つ米国へ投資を広げる
2.米国企業はROE(自己資本比利益率)が非常に高く、純利益が増えていきやすい状態
3.米国企業であれば配当利回りが5%を超える企業が存在
4.米国株では1株から購入が可能なので、少額でも株式投資ができる
5.米国株式投資のデメリットは「為替リスク」「税金」「手数料」

米国株式と聞くだけで難しそうと判断してしまいがちですが、今の時代ではそれは当てはまりません。それどころか米国株式投資をせずして株式投資は語れません。企業情報も日本企業レベルで入ってきますし、ネットでリアルタイムな市場状況も分かります。1株の少額から投資できますので、まずはやってみる事が大切です。